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(本章以降、主に映画の静止画像写真を使って説明していく)青色の活用は、『チャイルドコール 呼声』において主幹をなす手法の一つであり、青は常に死と関連している。特にアナとアンデシュの服は青色で、アナは映画の終わりで死に、アンデシュは映画が始まる前から亡くなっている。これから提示する一連の場面によって、本作品での青色の活用にスポットをあてよう。さらに次章ではいくつかの特別なケースを取り上げ、本作品を解釈するにあたり浮かんでくる仮説を紹介する。
 
 
 
 
 
 
 

アナが突然、アンデシュと同じシャツを着る、このシーンは衝撃的で、しっかりと心をつかみ、かつ革新的で、私はかつて映画のなかでこのようなシーンを見た記憶がない。アナがはさみで管理人を刺すシーンを観て、観客はそのショッキングな出来事に驚くが、そのシーンをシュレットアウネ監督はうまく演出している。アナとアンデシュが飛び降り自殺をする前に、2人はベッドに腰掛けている。そこではシュレットアウネ監督は、アンデシュにコートを着せて服の類似性を隠すことに成功している。アンデシュの青い服をあえて隠すことで、青色を用いた演出効果を観客に悟らせることなく、潜在意識の中に刷り込む狙いがある。こうして計算された色の演出は、作品の随所に散りばめられており、それらが映画全体の美しい世界観を生み出している。ヘルゲが胸ポケットに入れている青いペンも興味深い、この点については本記事の最終章で説明しよう。
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Originally published at Montages.no / Analytical article was written by Mr. Dag Sødtholt