ベストセラー・ミステリーの映画化『ミレニアム』やSF大作『プロメテウス』でヒロインに扮した話題の演技派女優、ノオミ・ラパスの新作『チャイルドコール 呼声』が本国ノルウェーでは高い評価を受けた実力派監督、ポール・シュレットアウネ。彼の幻のエロティック・スリラーが遂に公開されることになった。2005年に海外で公開された時は、デイヴィッド・リンチ監督やロマン・ポランスキー監督を思わせる迷宮感覚の展開と映像がマスコミに絶賛されている。
 つきあっていた恋人と別れ、その傷の癒えぬ主人公ヨーンは、ある日、隣室の魅惑的な姉妹から荷物を動かすのを手伝ってほしいと部屋へ案内される。初めて見る隣だったが、姉アンネは、「私はあなたのことをよく知っている」と言い、彼の失恋の傷を広げるかのように謎めいた質問を繰り返す。また、妹キムにはレイプされた過去があり、姉は彼女をひとりにすることはできないという。姉の留守中に妹キムのボディ・ガードを頼まれるヨーンだったが、姉が出ていくと、キムはあられもない姿でヨーンを挑発する。ふたりの姉妹の不可解な言動によって、ヨーンの日常は壊れる。姉妹の真の目的とは? ヨーンが隠してきた恋人との関係とは? 驚愕の真実がやがて明かされることになる。
 シュレットアウネ監督は長編デビュー作「ジャンク・メール」(97)で東京国際映画祭銀賞、カンヌ国際映画祭批評家週間最優秀賞、サン・パウロ国際映画祭審査員賞などを受賞して注目を集め、CMディレクターとしてはカンヌ広告祭で数々の受賞歴もある。『サイコ』や『裏窓』などで知られるミステリー映画の大巨匠、アルフレッド・ヒッチコック監督を愛するという彼が、ノルウェーで17年ぶりにR-18指定となった過激な性描写も盛り込みながら、ひとりの男の心の闇をダークなタッチで映像化。先の展開が読めない新感覚エロティックサイコスリラーの登場となった。
 姉妹に日常を狂わされていく男を演じた主演のクリストファー・ヨーネルは監督の新作『チャイルドコール』にも出演しているノルウェーのベテラン人気俳優。本作で、ノルウェーのアカデミー賞、アマンダ賞最優秀主演男優賞を受賞している。